Blog ブログ

『心のキャッチボール』のそばにいてくださる大人の方へ

この本を手に取ってくださり、あるいは、興味をもってくださり、本当にありがとうございます。

毎日忙しい中で、
お子さんや生徒さんのことを思いながら、

「何かできることはないだろうか」

そんな気持ちでこの本を開いてくださったこと。興味をもっていただいたこと。
まず、その時間と想いに、心からの感謝をお伝えさせてください。

この本は、子どもを変えるための本ではありません。
そして、大人が何かを教えるための本でもありません。

むしろ、この本が目指しているのは、
**「教えることから少し離れてみる時間」**です。

今日は、この本がどんな気持ちで書かれているのか、
そして、どんな距離感でそばにいていただけたら嬉しいのかを、
そっとお伝えできたらと思います。

なぜこの本は「教えない」設計なのか

中学生は、私たち大人が思っている以上に、

・ちゃんとしなきゃ
・期待に応えなきゃ
・正解を出さなきゃ

という気持ちを抱えていることがあります。

だからこそ、
「自己理解」というテーマに触れたとき、

知らないうちに、
**“正解を探す気持ち”**が働くことがあります。

・これが正しい答えかな
・こう書いたほうがいいのかな
・こう思わないといけないのかな

そんなふうに感じ始めると、
自分の気持ちに静かに向き合うことが、少し難しくなります。

そのため、この本では

・順番通りに読まなくても大丈夫
・全部やろうとしなくても大丈夫
・書けない日があっても大丈夫

という少しゆるやかな設計にしています。

これは、やる気を下げるためではなく、
肩の力を少し抜くための設計です。

「自分がわからない」は、実は健やかな状態

第一章を読んだあと、

・少し静かになったり
・逆に不安そうに見えたり

そんな様子が見えることもあるかもしれません。

でもそれは、後退ではありません。

むしろ、
自分に向き合い始めている時間とも言えます。

「自分がわからない」という感覚は、
問題というより、
自己理解の入口のようなものです。

もしそんな様子が見えたときは、

「そう感じることもあるよね」

そんな一言だけでも、
子どもにとっては十分な支えになることがあります。

子どもが立ち止まる時間は、成長の途中

第二章では、
感情や「比べてしまう自分」に触れています。

この章を読んだあと、

・自分なんて
・どうせ自分は

そんな言葉が出てくることもあるかもしれません。

でもそれは、
ネガティブになったというより、

自分の感情に触れ始めている状態とも言えます。

そんなとき、大人が何か言葉を探さなくても、
ただその時間を見守ることが、
大きな支えになることもあります。

子どもは「ひとつの言葉」で説明できる存在ではない

第三章では、
自分をひとつに決めなくていい、ということを扱っています。

大人はつい、

・それは長所だね
・それは直したほうがいいね

と整理したくなることがあります。

けれど子どもは本来、

・明るい自分
・少し不安な自分
・頑張る自分
・休みたくなる自分

いろいろな面を持っています。

そうした揺れを急いでまとめなくても、
そのままの形でそっとしておくことが、
自己理解の土台になることもあります。

第4章|心のキャッチボールの本当の意味

この本の中心にあるのが第4章です。

そして同時に、
いちばん無理をしてほしくない章でもあります。

この章は、

・悩みを解決する章でも
・前向きにさせる章でもありません。

ここで大切にしているのは、

**「自分と対話してみる時間」**です。

なぜテーマを選ぶ構造なのか

第四章では、
最初に子ども自身がテーマを選ぶ形になっています。

これは主体性を育てるためというより、
安心して向き合える問いに出会うためです。

人は、

与えられた問いよりも
自分で選んだ問いの方が、
自然に向き合えることがあります。

なぜ選択肢を使っていないのか

この章では、

「はい / いいえ」
「当てはまるものを選ぶ」

といった選択肢を使っていません。

代わりに、

・言葉の例
・いくつかの表現

を示しています。

これは、

「自分の言葉で表現してもいい」

という安心感を持ってもらうためです。

この章で起きている変化

この章を終えたあと、

・少し落ち着いた
・表情がやわらいだ
・少し話すようになった

そんな変化が見えることもあります。

でも、変化が見えなくても問題ありません。

本当に大切なのは、

自分の気持ちを言葉にしていい

という感覚が、
心の中に残ることです。

強みは「見つけるもの」ではない

第五章では「強み」を扱っています。

強みという言葉を聞くと、

「何か見つけなきゃ」

と感じることもあるかもしれません。

けれど強みは、

見つけるものというより、
あとから気づくもの

なのかもしれません。

そのため、

「そのままでいいよ」

という空気があることが、
子どもにとって大きな安心につながることがあります。

この本のゴールは「変わること」ではない

第6章と第7章では、

・完璧じゃなくていい
・続いていけばいい

という感覚を大切にしています。

そして最後に触れているのが、

「自分の人生を、自分として生きること」

です。

最後に

子どもたちは、
まだ言葉にならない気持ちをたくさん抱えています。

それを

・急がせず
・正さず
・決めつけず

ただ、そばにいてくれる大人の存在が、
何よりの支えになります。

日々、迷いながらも向き合い続けておられること。
その積み重ねに、心からの敬意と感謝を込めて。

この本が、
その時間のそばに、そっと置いていただけたなら。

それ以上の願いはありません。

こちらからご購入いただけます↓

「心のキャッチボール」〜 自分を知る練習ノート〜